【これからモデリングの仕事をしたい人へ】


これは私の数少ない経験からのアドバイスです。模型雑誌などにはもっと良い方法も
載っているでしょうし、ガレージキットモデラ−の方のHPには専門的なデータ等を
掲載されている事もあると思われます。初歩的な事のみをかきとめてみました。  



 その1 道具について

●柔らかい粘土を加工するときにはへら(スパチュラ)が必要になります。
私が愛用しているのは竹べら・金属製へらですが、ときには手製のものが
必要になります。
材料は割り箸でいいのですが、市販されているものを参考にしてひとまわりくらい
小さなへらをカッターで削り出します。サンドペーパーで磨けばけっこう使いものに
なります。

●固まった粘土を加工するときにはノコギリや電動工具が必要になります。
リュ−タ−(モーターツール)が重宝します。モーターの先に替刃を付けていろんな形
に彫ることの出来る道具です。日曜大工のお店などでは約1万円で手に入ります。
替刃は削り方の目的に応じて揃えるのですがリュ−タ−本体とセット販売している
メーカーもあります。
あと忘れちゃならないのがサンドペーパーで、紙やすりでも布やすりでもない
曲面用のやすりが重宝します。180番から360番くらいが使いやすいと思います。


 その2 材料について

●最近の粘土は多種多様ありますが、ファンド等の石粉粘土、工業デザインに使用
する油粘土などはここではおいといてスーパースカルピーという樹脂粘土の説明に
とどめます。現在、ほとんどのモデラ−といわれる人々が賞賛している粘土です。
私が立体の仕事できるのもこの粘土のおかげだと思っています。
それまでもオーブンで硬化させる粘土はあったのですが、この柔らかさと硬化後の
切削性は他のものとは比べようもないからです。

この粘土を使うためにはある程度ゆとりあるスペースを持つデジタルタイマー付き
のオーブンが必要になりますが、 この出費はすぐ元がとれるでしょう。
私が使用しているオーブンは、パン発酵などが出来るもので五年以上前に2万ほど
で購入したものです。電子レンジよりは高さのあるものです。私はこのオーブンの
大きさに合わせて、人形などを制作しています。
スカルピーについてはリンクページの「ダイセル 」のサイトを参照下さい。


 その3 塗装について


●アクリル絵具のことはすでにQ&Aで触れましたので、ここでは塗装前の下地処理
を主題にします。アクリル系の下地にはジェッソという画材がポピュラーですが
下地にタッチをつけたい時に混入するメディウムも利用価値が高いのです。
たとえば砂地やごつごつした岩肌のようなタッチをつけたい時などはよく使います。
ただジェッソ自体は固い成分なのでサンドペーパーで磨くのは一苦労します。
そこで、つるつるな表面にしたい時はサーフェイサーを使用します。
模型用や車用などいろいろ出ていますが基本的には細かい傷などをならすスプレー
で塗装の密着を良くするモノだといえます。

問題はスプレーを噴く環境で、私は押し入れを工夫して塗装室代わりにしています。
大きめの段ボールと小さな照明器具があれば誰でも作れると思います。
スプレーが漏れるようならガムテープでしっかり補強するか、古新聞紙を敷き詰め
ましょう。シンナーで拭けばスプレーの跡は落ちますが、周りにスチロール・プラ材
などは置かない方が安全です。あと、換気に注意しないと思わぬ事故が発生するかも
しれません。できれば換気扇を作業場に付けることをおすすめします。


 その4 撮影について

●いざ造型物が出来上がっても、それを持って営業にまわるのは難儀です。
カメラマンの友人でもいれば効果的な写真を撮ってもらえるでしょうが、自分で
撮影するとなるといろんな問題も出てくると思います。でも、そこで撮影の事を
考えることは決して無駄にはならないでしょう。
かつて、私が写真で苦労していた事は現在の仕事のスタンスを考えるうえで、最も
重要な宝といえます。特に背景まで造る仕事に関しては、カメラの目を通して初めて
そのスペースのサイズを割り出すことが可能です。サイズが合わなくて他のアングル
から撮れない、といった事態を免れるためです。

●室内撮影するとき最低限そろえたいもの・・・
とりあえずライトと三脚と反射板、あとはカメラの力かと思います。
電球(レフランプ)はヨドバシとかサクラヤ等で購入できます。500W以上を
お薦めします。どうしても家の裸電球を使用するなら、青くすることです。
青いセロハンを被せるか、青いフィルターをレンズに付けます。これで赤みや黄み
のない光を得られますが、シャッタースピード・露出も考えた方がいいです。
三脚はライト用の足にするため、安物でも数あった方がいいです。
グリップ式のライトを固定するためですから、折畳みイスでもできなくはない
ですが・・・あまり自由は利きません。
ライトを反射させるモノは専用のものも売られていますが、低予算なら
イラストボード(白ケント紙)・アルミホイル・鏡などになります。

単純に考えると電球の数が増えれば明るくなると思うでしょうが・・・
影も電球の数だけできます。複数の影を消すのはとても難しく技術や機材も
必要になります。だから、少ないライトを効率良く反射させ影を薄くする事
を考えた方がいいと思います。写真用品は高価なものが多いので、代用品が
見つかれば低予算で揃えられることもあります。工夫してみて下さい。


 その5 運搬について

●造型物がうまく出来上がっても、梱包や運搬の問題が出てきます。
小さなオブジェ等なら日曜大工店で売っている工具箱を利用すればよいのですが
電子レンジくらいの大きさになったらそうもいかなくなります。
私はそういう時に備えて大小様々な段ボール箱をスーパー等からもらっています。
で、造型物のサイズに合わせて段ボールを組み直したり、中にスチロールを敷いて
固定し易く強化します。車で運搬できる場合はそれほどしっかり作る必要はないの
ですが、電車輸送の時はそうとうガッチリした箱を作らないと通勤ラッシュにでも
巻き込まれたら何の保証もありません。
小道具等をまとめるにはお菓子の小箱が重宝しています。だから使えそうな空き箱や
パッケージはできるだけ捨てないでとってあったりします。


 その6 テクニックについて


●テクニック(素材選びからその使用法まで)とはその人の人生そのものなのでは
ないかと私は思っています。だから、このサイトではそれについて触れようとは
思っていません。仮に私がこれはこうするといいんだよという話しをここに書いた
として、それが読んだ人の環境に準じたものである保証もありませんし・・・
たとえ、それを鵜呑みにしてその場を解決できたとしても、すぐに新たな問題を
抱えるのではないかと思っているからなんです。

まず自分の環境に合った方法を考え、それに適合する素材を探し、研究することが
唯一その人の価値を生み出すのではないかと考えます。
私が与えられる研究ヒントは、「シンナーに溶けるかどうか」でしょうか。
それによって必要な道具を作り、技術を磨き、仕事のペースを上げているからです。
近道だと思っていたものが本当は遠回りだったという事もありました。

これを読んだ方が私のしていることよりも、もっとすすんだことを発見することを
願っています。流行に惑わされることなく、己の道を切り開いてほしいからです。
たぶん、このページについてはこれが最後の更新になると思われます。


基本的には、やたらにモノを捨てないで使い道をよく考える日々の積み上げが
一番大事なんじゃないかと思います。創意工夫ある人生を送りたいものです。

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個人的にお返事できるかもしれません。

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